6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む (★★★★★ 星5つ) 出版社によると、「フランスで26万部突破、36カ国で刊行のベストセラー小説」なのだとか。読み進めるに従って、ぐんぐんその世界に引き込まれてゆく力を持つ作品…
カテゴリー: 書籍
書籍のレビューページです。
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カリ・モーラ (★★★★☆ 星4つ) 新作が出るなど期待していなかったトマス・ハリスだが、たまたま本屋に立ち寄ったら、これが出ているではないか。何でも、13年ぶりだとか。裏表紙のあらすじを読むまでもなく買ってきて、読んだ…
パルプ (★★★★☆ 星4つ) 破天荒という麗句よりもメチャクチャといった方がいい、破壊と暴力と無茶な設定の探偵小説。ハードボイルド仕立てだが、本人も、読む方もその設定のバカバカしさを前提としている。読みながら、例えば「…
世界を売った男 (★★★☆☆ 星3つ) 陳 浩基で評判が良いのは『13・67』という著作らしい。そちらは半世紀に渡る香港のリバースクロニクルの形を取った刑事物ミステリーらしいのだが、本作『世界を売った男』も刑事物。殺人事…
コールド・コールド・グラウンド (★★★☆☆ 星3つ) 今の人にはIRAといっても何のことかピンとこない、印象は特に思い浮かばないという人もいるだろう。しかし、おそらく40代後半以上の人なら、テロとか爆破事件といえば、9…
スロー・ラーナー[新装版] (★★☆☆☆ 星2つ) これは困った。背表紙の解説によれば「現代アメリカ文学史上に聳える三つの傑作長篇を」著したといわれる巨匠の作品集でありながら、ちっとも面白くない。多分、自分の文学に対する…
シフト(上)(下)・ダスト(上)(下) (★★☆☆☆ 星2つ) 下記の『ウール』のprequelおよびsequel。ただ単に冗長。 「そんな余計な描写はいいから物語を先に進めてくれ」と言いたくなる枝葉末節は多いのに、この…
滴り落ちる時計たちの波紋 (★★★★☆ 星4つ) 久しぶりに平野啓一郎の本を読んだ。語彙力・実験的組み立て・小説好きを満足させるレトリックなど文句のつけようがない。面白いのは、いずれもどこかsyntheticなところ。こ…
オラクル・ナイト (★★★★☆ 星4つ) 物語は基本的には小説家である主人公を基軸に進む。が、作中、主人公の著す小説が詳細に展開されるなど、何重にも入れ子の構造になっているうえに、補説の形で物語にバックグラウンドが差し挟…
真昼の悪魔 (★★★☆☆ 星3つ) 下記の『沈黙』や『海と毒薬』に比べると、かなり俗っぽい。心の乾き(渇望ではなく『干からびた』無関心)を理由に残酷をやってのける女医と、それを追う入院患者、対峙しようとする神父が病院の闇…