ブックレビュー 木原音瀬

箱の中 (★☆☆☆☆ 星1つ) あまりにもくだらなかったのでアマゾンへのリンクは張らない。木原音瀬は所謂BL作家とのこと。『ダ・ヴィンチ』でBL界の芥川賞と評され、話題になった、と、本のカバーにはあるが、こういう類のはや…

ブックレビュー 『もの食う人々』

ブックレビュー『もの食う人々』辺見 庸(著)

辺見 庸(著) (★★★★★ 星5つ) 『もの食う人々』が題名だが、より正確に言うなら、『食いたいものが食えない状態ながらも生(せい)のために食う、あるいは食えない人々』である。共同通信の特派員時代から世界各地へ行き、壮…

ブックレビュー 『ヒトはなぜヒトを食べたか ― 生態人類学から見た文化の起源』

ブックレビュー『ヒトはなぜヒトを食べたか ― 生態人類学から見た文化の起源』

マーヴィン・ハリス(著) (★★☆☆☆ 星2つ) 人肉食行為はその特殊性と異常性でしばしば話題になるが、それを人類学的見地から紐解く…のかと思っていたら、期待はずれ。 というのは、本著の主題は人肉食ではなく、石器時代から…

ブックレビュー 武田泰淳

ひかりごけ (★★★☆☆ 星3つ) 有名なひかりごけ事件にモチーフをとった表題作の他、『流人島にて』『異形の者』『海肌の匂い』の4篇から成る。少数派の社会、閉鎖空間の中のいわば部分法理を、人間の生理とともに描き出す。 4…

ブックレビュー 車谷長吉

灘の男 (★★★★★ 星5つ) 豪放磊落な荒くれ男とは、この小説の登場人物達のような男達のことを言うのだろう。今の平坦な世の中で、男女同権が進みつつある中、こうした男達の生き方を肯定するとたちまち眉をひそめられることと思…