幸運の25セント硬貨 (★★★★☆ 星4つ) 短篇集。文学的作品と捉えて読もうとすると違和感があった。もちろん文学的体裁を保ってはいるのだが、修辞の先にある意味はなどと考えて味わおうとするよりも、やはりスティーヴン・キン…
カテゴリー: 書籍
書籍のレビューページです。
小説(日本)、小説(海外)、小説以外に分かれています。
オリヴァー・サックス(著) (★★★★☆ 星4つ) この本は全色盲が高率で発生するというミクロネシアの島を訪れた脳神経科医の著者が感じたところを記した紀行本で、医学的考察が厳密にされている学術本ではない。なので、医学関係…
火星の人 (★★★★★ 星5つ) 火星有人探査で起こった事故により1人残された主人公が生存のために知恵を絞るハードSF。既にリドリー・スコット監督、マット・デイモン主演による映画化が決定していて、トレイラーも公開されてい…
箱の中 (★☆☆☆☆ 星1つ) あまりにもくだらなかったのでアマゾンへのリンクは張らない。木原音瀬は所謂BL作家とのこと。『ダ・ヴィンチ』でBL界の芥川賞と評され、話題になった、と、本のカバーにはあるが、こういう類のはや…
辺見 庸(著) (★★★★★ 星5つ) 『もの食う人々』が題名だが、より正確に言うなら、『食いたいものが食えない状態ながらも生(せい)のために食う、あるいは食えない人々』である。共同通信の特派員時代から世界各地へ行き、壮…
石井光太(著) (★★★★☆ 星4つ) 豊富な実地取材を基にスラムやストリートチルドレンの暮らしや貧困社会の仕組みを紹介しているが、基本的な価値概念の判断はこの本を読む者に委ねられており、「だからこうすべき」という筆者か…
芝生の復讐 (★★☆☆☆ 星2つ) いきなり巻末の解説からの引用だが、そこには訳者藤本和子の労をねぎらったうえでこうある。 (訳者の翻訳とあとがき)がなければ、ブローティガンは日本でも真価を理解されないまま、単にちょっと…
マーヴィン・ハリス(著) (★★☆☆☆ 星2つ) 人肉食行為はその特殊性と異常性でしばしば話題になるが、それを人類学的見地から紐解く…のかと思っていたら、期待はずれ。 というのは、本著の主題は人肉食ではなく、石器時代から…
ひかりごけ (★★★☆☆ 星3つ) 有名なひかりごけ事件にモチーフをとった表題作の他、『流人島にて』『異形の者』『海肌の匂い』の4篇から成る。少数派の社会、閉鎖空間の中のいわば部分法理を、人間の生理とともに描き出す。 4…
灘の男 (★★★★★ 星5つ) 豪放磊落な荒くれ男とは、この小説の登場人物達のような男達のことを言うのだろう。今の平坦な世の中で、男女同権が進みつつある中、こうした男達の生き方を肯定するとたちまち眉をひそめられることと思…