サラサーテの盤 – 内田百閒集成(4) (★★★★★ 星5つ) 東京にまだ闇があった頃。その闇の怪奇をファンタジックに描いた短篇達が、ノスタルジックな印象。これは「小説」なのだろうか、と思うような、突然始まり…
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鶴見和子(著) (★★★★★ 星5つ) 破天荒な生き方と、何者をも凌駕する圧倒的な知力と、尽きることを知らない探究心。それが南方熊楠の膨大で深遠な世界を作り出しているが、南方の学問と同じで、彼の生き方を体系的に整理したも…
白洲正子(著) (★★★★★ 星5つ) 両性具有というと、インドのヒジュラだとかギリシャ神話のヘルマプロディートスだとかを思い浮かべるだろうが、前者は時に神としてあがめられ、後者は人間のもっとも美しい姿との賞賛を受けたギ…
白洲次郎(著) (★★★★★ 星5つ) ラショナルであるがゆえに少数派でありながら、その信義を貫くことは希望をもたらすのだと思わせる政治論が展開されている。昨今の白洲次郎「ブーム」は、彼の風雅なライフスタイルばかりが雰囲…
瀬戸内寂聴(著) (★★★★★ 星5つ) 釈迦の涅槃入りの時期を、釈迦に司えた一番弟子のアーナンダの立場から記しているが、回想の形で釈迦の一生と、それを取り巻く人々の物語が非常に分かりやすく書かれているので、仏教徒でなく…
天使 (★★★★★ 星5つ) ↓の『バルタザールの遍歴』がすごかったので、佐藤亜紀の作品に興味を持ち、次作であるこれを読んだ。初回作の圧倒的展開と知識量に慣らされていても、なおこれを読んでそれらに驚かされ続ける。緻密なプ…
屍者の帝国 伊藤計劃×円城 塔の本作については別ページ参照 虐殺器官 (★★★★★ 星5つ) 近未来SFなのだが、アメリカが舞台になっている。というよりは、より正確に言えばアメリカ軍に所属する主人公がある人物を追って世界…
岡本太郎(著) (★★★★★ 星5つ) 「芸術家は作品がすべて、言葉で語るのではなく、作品で言いたいことを表現せよ」とはよく言われることだし、芸術家自身でそう主張する人も大勢いる。しかし、語ったっていいじゃないか。どうい…
レイテ戦記(上)(中)(下) (★★★★★ 星5つ) (★★★★★ 星5つ) (★★★★★ 星5つ) 事実が圧倒する重さなだけに、心して読書にあたった。これほど読書するのに決意の要る本もないだろう。戦記と題しているだけに…
西村佳哲(著) (★★★★★ 星5つ) 人から勧められてこの本を読んでみて、非常に良かった。自分のライフワークを何に定めて、いかにしてそれで飯を食っていくかは、人生の大きな部分を占めるテーマだが、システムが定型化した社会…