音楽レビュー Ann Nesby


Living My Life (2014)


(★★★★★ 星5つ)

久しぶりに聴くAnn Nesby。本作と下記の”This Is Love”の間には2009年にゴスペルアルバム”The Lula Lee Project”をリリースしている。

声の素晴らしさは相変わらず。一聴してAnn Nesbyと分かる張りのある声は自在にそれぞれの曲を歌い上げる。Ann Nesbyといえばそのコテコテ具合が時々胸焼けを起こしそうなほどだったのだが、ここにきてアルバムには肩の力の抜けた曲もあり、歌い分けていて、シンガーとして進化していることが感じられる。

その一方で、Ann Nesbyの人気を支えたハウス寄りの曲も健在。サウンドトラックに負けないのは言わずもがな、疾走感を感じさせる。ともかくこの人からは目が離せない。(2015年2月19日 記)

This Is Love (2007)


(★★★★★ 星5つ)

Ann Nesbyは、大所帯のゴスペルグループ”Sounds Of Blackness”の、元リードシンガー。Sounds Of Blacknessでの活躍の後、Janet, Cherrelle, Alexander O’neal, Karyn Whiteといった一時代を創ったブラックミュージックアーティスト達を手がけた名プロデューサーJimmy Jam & Terry Lewisのプロデュースになる衝撃のデビューアルバム”Ann Nesby”で、Sounds Of Blackness時代から注目されていた鮮烈で圧倒的なボーカルスタイルを、彼女自身の音楽スタイルとして決定付けた。

本作は、Patti LabelleChaka KhanKelly Priceなどのコッテリ系ソウルシンガーが好きなら必聴の非ゴスペルアルバム。相変わらずの歌唱力と、無駄を省いたエッセンシャルでメロディックな曲が聴かせる。