音楽レビュー Chaka Khan

Funk This (2007)


(★★☆☆☆ 星2つ)

前作”Classikhan”はジャズアルバムだったので、ポピュラーのオリジナルアルバムとしては”Come 2 My House”以来実に9年ぶりのオリジナルアルバム。が、ひたすら残念。その時代時代で新しいスタイルに果敢に挑戦してきたChaka Khanの美点が何一つ生かされていない。ファンクと題されたそれは古色蒼然たるシミュレートされた懐古主義にしかすぎず、Chaka Khanの歌いっぷりに文句はないが、何一つ耳に残らないのだ。

新しい音楽を創るということは、スタイルをなぞらえて「それ風」の形を取ることではない。プロデューサーはかのJimmy Jam & Terry Lewisだが、かつてJanetやCherrelleAlexander O’nealなどをプロデュースした時のような、彼らのオリジナリティーや革新性が聴こえてこない。才能の枯渇かとさえ思ってしまった。

Classikhan (2004)


(★★★★★ 星5つ)

押しも押されぬソウルの女王がロンドンシンフォニーオーケストラをバックに名曲を歌う。ともすると企画倒れ・名倒れになりがちなこんなコラボレーションも、彼女の才にかかれば見事にクラシカルな曲をChaka Khan節に仕上げ、本物ソウル指向の人の耳はおろか、Jazzファンをも魅了することになる。

日本ではChaka Khanというと”I Feel For You”か”I’m Every Woman”くらいしか思い浮かばない、という御仁も多かろうが、Jazz, R&B, Soulといった枠を飛び越えて謳いこなす彼女の魅力をぜひ体験してもらいたい。特に最近乱発される無個性で未成熟な「R&B」を標榜する小娘達に食傷気味の人にはお勧めである。

C.K. (1988)


殿堂入り作品

前作の”Destiny”がきらびやかでエレクトリックな音だったのに対し、幾分削ぎ落とされた音作り。Chaka Khanはいつもミュージシャンとの共演が豪華だが、ここでも豪華なのは変わらず。Bobby Womack、Miles Davisなどが顔を揃える。”Sticky Wicked”でのマイルスとの掛け合いは必聴。ジャズナンバーが2曲入っていて、異色だと感じさせるが、Chaka Khanは『チュニジアの夜』の大胆なカバーでもそれより前に知られており、見事な出来栄え。さすがにイニシャルをタイトルにしただけのことはある。

Destiny (1986)


殿堂入り作品

“I Feel For You”よりもさらにアグレッシブな音作りで、バラエティー豊かな共演陣。Scritti Politti、Phil Collins、Cameoと、強烈な個性のアーティスト達の特徴的な音を見事にChakaの個性と掛け合わせ、濃密な世界を堪能させてくれる。エキサイティングで息つく間もないほどのスピード感と音のゴージャスさはChakaのアルバムの中でも最右翼。

I Feel For You (1984)


殿堂入り作品

“I’m Every Woman”の時代を知らない人にとってのChakaの代表曲といえば、このアルバムのタイトルソングだろう。元はPrinceの手による曲だが、Grandmaster Melle Melの強烈なラップとChaka のシャウトによって、完全にこれがオリジナルと言えるものになっている。
とかくこの曲に注目されがちだが、このアルバムには他にも名曲が詰まっている。Burt Bacharach作でDionne Warwickも歌った名曲の”Stronger Than Before”やDavid Foster作曲のこれまた名曲”Through The Fire”、ミッドテンポファンクの”Eye To Eye”、エキゾチックなムードの”China Town”などてんこ盛りで、飽きることのない珠玉の必聴盤。

Chaka (1978)


殿堂入り作品

Chaka Khanの代表曲であり、後にWhitney Houstonがカバーした”I’m Every Woman”で始まる。”Life Is a Dance”や”I Was Made to Love Him”(これも後にWhitneyがアルバム”My Love Is Your Love”でカバーしている)のファンキーなノリの曲が光るが、しっとりしたバラードの”Roll Me Through the Rushes”などの曲も味わい深く、Rufasから独立したファーストアルバムにしてChaka Khanの懐の深さを感じる名盤。

記事が気に入ったらWeb拍手を。ボタンかリンクをクリック!