音楽レビュー Daniel Caesar

Freudian (2017)


(★★★★★ 星5つ)




タイトルの”Freudian”とは、フロイト派のこと。少し寒くなりかけた頃、曇りがちな空を窓から眺めるような、影のあるアンニュイな音。カナダトロント出身のR&B/ソウルアーティストDaniel Caesarは、精神性の高い音を届けてくれる。Lynden David HallKEM、D’Angeloあたりが好きなら、即座にはまるはずだが、彼らとはまた明確に違った世界を持っている。

繊細な歌声と、計算し尽くされたトラック構成、速からず遅からずの絶妙なミッドビートが絡み合い、何かをしていてもこの音楽がかかると思わず手を止めて聴き入らずにはいられない、そんなパワーを持っている。決して押し付けがましくなく、ひたすら自分の世界を掘り下げている清潔さが、なおさら力を持って訴えかけてくる。久しぶりに求めていたものを聴いた気がする。カナダ出身のR&B/ソウルシンガー?と疑問に思う向きには、(毛色は全く違うが)我々は散々Deborah Coxを堪能してきたではないか、と言っておこう。(2017/10/20 記)

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