音楽レビュー Julie Dexter


New Again (2011)


(★★★★☆ 星4つ)

Julie Dexterは2002年にデビューアルバムを出し、地道ながらR&B/Soul好きの人からは高い評価を得て活躍している人のようだ。ジャズのような、と評されていて、確かにそんな趣もある。多分それは複雑で綿密なコーラスワークによる印象だと思う。聴いている側にとっては難しすぎることもなく、耳慣れてくると、親しみやすいビートもあって、ジャズというよりはやはりR&Bというかフリーソウルのような感じに聴こえる。

複雑で高等なテクニックを駆使しているところはRachelle FerrellAmel Larrieuxのようで、フリーソウルのような軽快な浮遊感はAdriana Evansが好きな人にはとっつきやすいと思う。一方で、ディープハウス風のクールでな感じも思わせるが、実際、リミックスされたトラックはラウンジ/ディープハウスそのもので、声質とサウンドスタイルが馴染んでいる。

と、「~のような」ばかりではJulie Dexter本人のカラーが分かりづらいと思うが、そうした複雑・自由・浮遊感・クールという要素が絡み合っているのが持ち味なのだろう。上質な音楽を探している人におすすめ。過去のアルバムも聴いてみたい。