音楽レビュー Low Deep T

Big Love (2011)

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(★★★★★ 星5つ)

Low Deep Tは名前のとおりシックなディープ・ハウスを手がけるアーティスト。ディープハウスというと、禁欲的でシリアスなムードが多く、これも確かにシリアスで禁欲的ではあるのだが、Blue Sixとか、Harley & Muscleなどが届けるお洒落な音とは若干異なり、どこかソウルフルで生な雰囲気がする。それはドラムトラックの音質だったり、バッキングトラックの音が持続音系が少なく、大抵パーカッシブな減衰音系だったりするところにもよるだろうが、何といっても特徴的なのは、彼のボーカルスタイルだろう。

ハウスの男性ボーカルというと、Michael WatfordやCe Ce Rogersなどのように声を張り上げてソウルフルに熱く歌い上げる、あるいはKevin AvianceやRobert Owensのようなあからさまなゲイスタイルが圧倒的に多いなか、Low Deep Tは、ジャンルは全く違うがChris Reaのような渋く枯れた声で、低音を活かしてB歌うスタイルで、独特だ。そしてその渋い声がバックの音構成とよく合う。

それに加えていいなと思うのが、歌詞がポジティビティーに満ちているところ。恋愛の枠にとどまらず、聴く人への応援であったりして、それがハウス・ミュージックというダンススタイルなのだから、粋だ。あまり知られている人ではないと思うが(俺もこのアルバムで初めて知った)、もっと知られ、かつ支持されてよいと思う。

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