音楽レビュー Chris Rea


Still So Far To Go… The Best Of Chris Rea (2009)


(★★★★★ 星5つ)

Chris Reaの曲を初めて耳にしたのは、マツダ エチュードのコマーシャルでだった。ヒット曲”On The Beach”の印象が、それまでの車のコマーシャルにはない雰囲気を漂わせており、似たイメージのCDジャケットを見て何も考えずに手にしたものだ。それが1987年。
23年も経ち、あらためて聴いてみると、さすらう男の歌、といった硬派なイメージは、たちまち蒼い透明な時間を目の前に繰り広げてくれる。どの曲もタイムレスな輝きがあり、こうして異なった年代の曲をコンパイルしても違和感なく聴けるのは、Chris Reaの立ち位置がしっかりしているからだろう。こういう音楽を聴くと、孤独やハードタイムズまでもが、輝く。人生捨てたものではないな、と思える音楽の魔法を感じることができる。