映画レビュー ザ・ボーイ 人形少年の館 (The Boy)


(★★★☆☆ 星3つ)

ストリーミングで英語版を鑑賞。とあるアメリカ人女性がシッターとして(大抵のあらすじ紹介には「ベビーシッター」と書いてあるが、8歳の少年の世話なので「ベビー」ではない)イギリスの館に住む老夫婦に雇われて来たが世話するのは人形の男の子。ルールを守るように言われて戸惑いつつ引き受け、老夫婦は何かに怯えるような、あるいは決心したような顔で旅行に出かける。すると誰もいなくなったはずの館で……というストーリー。

ネタバレをせずに感想を書くのがなかなか難しいのだが、終盤にいきなりの急展開があって怪現象はそこで明らかになる、とだけ言っておこう。しかし、映画が終わっても溜飲が下がるようなものではない。というのは、続編を作る気満々な感じの終わり方で完結はせず、それが鑑賞者の気を殺ぐからだ。

展開や手法は色んなホラー映画の寄せ集めのように見える。シャワーシーンあり、パラノーマルアクティビティ風あり、お約束のヒロインと恋仲になる男の話あり…。他にもクローズアップ、鏡、人形、古い館、それからその急展開後のモチーフ、と、どれもどこかで見たような気がする。良い言い方をすると、正統派。脅かすだけで怖がらせるのではなく、ストーリーを追う気にさせてくれるところは良い。ありそうでなかった映画、といった趣だ。
ありそうでなかった、という非類似性で言うと、人形がテーマではあるが、『死霊館』(The Conjuring)とはオチが全く違う、とだけ言っておこう。

ホラー好きで新しいものを探しているなら、観てもいいと思う。(2016/7/9 記)