シャンパーニュレビュー Jean Vesselle Oeil de Perdrix Brut


今回のこれは開栓して驚いた一本。まずはその驚きを写真で。

淡いサーモンピンク色。
淡いサーモンピンク色。

あれ? ロゼを買ったんだっけな? そんな意識はなかったのだけど、と。しかしロゼにしては色が淡い。Jean Vesselの何というものだっけなとしげしげ見るに…

"Oeil de Perdrix"の文字。
“Oeil de Perdrix”の文字。

今回の1本、Jean Vessel Oeil de Perdrix Brut(ジャン・ヴェッセル ウイユドペルドリ・ブリュット)はその名の示すとおり、ヤマウズラの目の色をした変わったシャンパーニュ。Jean Vesselはピノ・ノワールで有名なBouzy村に本拠地を置き、この色はピノ・ノワールの直接圧搾によって色が出ているのだそうだ。このOeil de Perdrixはシャンパーニュでは珍しい。Jean Vesselは自らを特徴づける1本として、これを造っている。実はこれ、買ってそのままセラーに半年以上放り込みっぱなしになっていて、そういやこんなのあったんだと思って出してきたもの。

色だけではなく、ピノ・ノワールの香気と味わいを活かすためにこの製法が選ばれたようで、確かにふくよかな味わいがある。フルーティーで、少しマールのようなブランデー香もこの中に感じ取ることができる。果皮の渋味も僅かながら残っており、パワフルな1本。しかし、アッサンブラージュで造られたロゼとは違って、赤ワインの味に振れすぎてはおらず、洗練されたシャンパーニュとして楽しむことができる。

食事の時に飲んだのだが、そうした味わいなので応用力も高い。Jean Vesselの提供するテイスティングシートにはどんな料理にも合い、「chauvinism(排他主義)はなく」他のワインとも楽しむことができると記載されている。

開けた時のメインの料理は何とラザニア。おいしく楽しめた。
開けた時のメインの料理は何とラザニア。おいしく楽しめた。

ドサージュ(澱抜き後のリキュールによる補糖)は6g/L。現代的なドサージュで、もたつくことなく味を楽しませてくれる。ちなみに価格もリーズナブル。低価格帯のロゼシャンパーニュは赤ワインの味がしてちょっと…と敬遠する場合が多いのだが、これはロゼでなく、一風変わっていて、開けると食卓の話題にもなり、しかもちゃんとおいしい、価値ある1本。