シャンパーニュレビュー Henri Goutorbe 2005 Cuvée Millésimé Brut


ふくよかなピノ・ノワールで知られるグラン・クリュのアイ村に拠点を置くHenri Goutorbe。前々から気になっていて、しかもスペシャル・クラブ(スペシャル・クラブの概略はこちらのレビューに)の一員と聞いて早速購入。スペシャル・クラブも買ってあるが、まずはこちらを。本来はスタンダード・キュヴェを買うべきだったが、たまたま買おうとしたところでスタンダードは売り切れていたのでミレジメ(単一年作ヴィンテージ)を選択した。

Henri Goutorbe 2005 Cuvée Millésimé Brut
Henri Goutorbe 2005 Cuvée Millésimé Brut

Henri Goutorbe 2005 Cuvée Millésimé Brut(アンリ・グートルブ 2005 キュヴェ・ミレジメ・ブリュット)は、2006年がもう出ているので既にバックヴィンテージ。アイ村のピノ・ノワールが4分の3に、シャルドネが4分の1のセパージュ。アイ村というとボランジェやゴッセ、アンリ・ジローなどを思い浮かべる。重厚で飲みごたえのある味なのでは、と予想。

色はピノ・ノワールの特徴が感じられる僅かにオレンジのニュアンスを帯びた明るい黄金色。味は骨太。

泡はすぐに落ち着くタイプだが、上品に立ち上り続ける。
泡はすぐに落ち着くタイプだが、上品に立ち上り続ける。

アイの骨太というとボランジェが筆頭に思い浮かぶが、それに通じるものがある。が、もっと野性味があるような、わざと洗練よりも「地」を感じさせるものにしているようだ。いわゆるテロワールというと、その土地の土のミネラル感だとか、そうした特色を指すのだろうが、そうではなく、その土地に根ざした特徴という意味で「地(ぢ)」を感じる。(普通ワインやシャンパーニュにはそういう表現はされないだろうが、そう感じる)
しかしもちろん粗野ではなく、フルーツのコンフィ、黄色い花、蜂蜜、オレガノのようにアーシーなハーブなどが様々に香る優雅さを備えている。

パワフルな部類だが、飲み疲れはしない。酔い心地も重くなく、一度は試している価値のある一本。ミレジメにしてこの出来だから、スペシャルクラブには一層期待。