(★★★★☆ 星4つ)
Requinquer(ルカンケ)はフランス料理の伝統技法を基にモダンなテクニックも採り入れた料理を提供する店。店は白金台駅近く、プラチナ通りから1本入ったところにある隠れ家的レストランだが、2015年~2023年11年連続ミシュラン一つ星で、有名店。
今回はパートナーの誕生日で、パートナー父母とともに4人で訪れた。店はこぢんまりとしていて、やや急な階段を上って入口が2階にあり、案内された席はさらにもう1階階段を使って上る。店内はクラシックで、調度品等見るに、ビストロのような面持ち。他のテーブルとは距離があり、パーティションで区切られていて、セミプライベートな空間で落ち着いて料理を楽しめた。しかし後述のように料理は本格的で、高級の名に恥じない。
今回オーダーしたのはメゾンの名を冠したムニュ ルカンケ。シグネチャーメニューを含む全11品。写真を失念したが、シャンパーニュはLouis Roederer Brut Vintage Rosé 2016を選択(音リストは2015だったが2016が在庫)。
我々のいるフロアーには他にもう1テーブルのみで、小さな面積ゆえ、目配りが利いている。なのでちょっとした頼み事をする時にもストレスはなし。若いスタッフは料理の説明にややぎこちなさを感じる場面や食後の飲み物のオーダーを取り違えたりもあったが、向学心にあふれていて、客とのコミュニケーションを適切に取ろうとする姿勢もあって、全般には誠実な姿勢で好感が持てた。彼がこなれてくれば、より一層快適な接客になるだろう。
料理は予想していたよりもモダンで、技法もプレゼンテーションも盛り付けも今風。今月、パートナー父母ともう1箇所ブノワ東京にゴールデンウィーク中に出かけており、あちらは伝統的フランス料理だったが、ルカンケはフランス産食材と日本の食材との取り合わせが面白く、素材は豪華だが料理のタッチは重すぎず、かといってこれ見よがしなテクニックと知識の披露ではなく、あくまで姿勢にはもてなしの姿勢が貫かれていて、コース全体を通じて、パートナー父母世代でも楽しめる。快適でおいしく、訪れる価値のある店。
(2024/5/30 記)