（★★★★★ 星5つ）
Les Chanterelles（シャントレル）は、きのこと魚介にこだわったフレンチレストラン。店名はフランス産のきのこから採られている。2023年ミシュラン1つ星の店。今回は、今年のお疲れ様会にとパートナーと2人で訪れた。
代々木八幡駅からほど近く、近くには色々なレストランやカフェがあって、どれもおしゃれな店構え。Les Chanterellesは少し奥まったロケーションで、建物の半地下にある。
店内でまず目を引くのは、長いカウンターと、そこから続いてテーブルになったダイニングスペース。我々は独立のテーブル席だった。テーブルクロスは掛けられているが、雰囲気はリラックスしていてカジュアル。ドレスコードはないが、お客は皆きちんとおしゃれしていて、レストランに敬意を払っているのが分かる。
コースは予約済みで、Menu fierteというスペシャルコース。例によってシャンパーニュで通すべくワインリストに目を通すと、面白いラインナップで、そこにもこだわっているのがよく分かる。最近気になってはいたが飲む機会のなかったMarguetがラインナップされていたので、Marguet Shaman 16を選択。Extra Brutとメニューにあったが、ドサージュゼロで、ラタフィアのような深い熟成香があり、ドサージュゼロでも痩せていたり厳しい口当たりではなく、コースを通じて楽しめた。
年末で席はほぼ満席、多人数のグループもいて、料理が出てくるのはゆっくり目。しかし待ちくたびれてまだかと焦れるほどではなく、楽しみにしていると次の皿が出てくる、といった塩梅。
コースの組み立てはアミューズに前菜4品、魚・肉にデザートとゴージャス。どれも店のキャラクターを感じる品々で、かつバランスがよく、次の皿が出てくるたびにハッと驚かせてくれる新鮮さがある。魚介は、日本に住んでいてよかったなと思わせるバリエーションの豊かさと質の高さ。無論、それを活かして料理に昇華させる料理法も申し分ない。
コース中のサプライズも色々。揚げ物が1皿出てきて、その中に牡蠣があったのだが、次のまでに時間がかかるからと、途中で1個サービス。メインのヴィヤンドを食べ終える頃、〆にきのこご飯（リゾット）をサーブしてくれた。デザートで俺はスフレを頼んだのだが、時間がかかったから、と希少なブランデーを我々に1杯ずつまずサービス、大喜びで俺が飲んだら、さらに1杯エクストラで注いでくれて、何とも気前がいい。
シェフは途中挨拶に出てきつつ、そうしたエクストラのサービスや、料理の説明もしてくれたのだが、何ともいいキャラクターで、知見の豊富さや腕の確かさに裏打ちされた、温かく人の良さを感じる親しみやすい人柄の方。食べ終えて帰る時には幸せいっぱいの気分になり、今年のファインダイニングの良い締めくくりになった。
（2023/12/28 記）
