飲食店レビュー Dancing Crab(シーフード料理 新宿区新宿)


(★★★★☆ 星4つ)

Dancing Crabは「手づかみで楽しむ食のエンターテイメント」と題されたシーフード店。JR新宿駅からすぐの場所にある。名前のとおりもちろん蟹がメインだが、ロブスターなど他のシーフードもあり。シンガポールにオープンしたルイジアナスタイルの店、という少し理解に時間のかかる経歴の店だが、シンガポールといえばシーフード料理も有名だし、おいしければ良し。今回はエンターテイメント体験気分で、友人達と計6人で行った。

独自のスタイルゆえ、入店したら後は店のシステムに則って食べる。大音量でポップ/ダンスミュージックがかかっていて、まるでクラブのよう。日本語で「ダンシングクラブ」といえばDancing Clubと綴るのかと思ってしまうので、その辺はコンセプトがうまくかぶせているのだろう。

飲み物とパッケージになっているセット(Crab Bag)を頼む。今回はサラダと、3種類の味付け(ナチュラルなもの、黒胡椒の利いた辛口、チリ風味の辛口)のセットを頼んだ。テーブルには防水カバーが施してあり、メニューをオーダーするとエプロンが出てくる。店の中央には手を洗うスペースがあって、エアタオルが一緒になった蛇口がずらり。まず手を洗ってスタート。

飲み物はジャーに取っ手のついたようなマグで出てくる。これには理由があって、手づかみで食べて手がベタベタになると滑りやすいから、取っ手が必要。ひとまず最初は汚れていないので安心して乾杯。

驚いたのは、メインのシーフードはそうして食べるのを予想してはいたものの、サラダまで手づかみ。少々違和感を感じつつも、まずはサラダを。
そしてスチームされて風味のつけられたシーフードがどーんと出てくる。火の通ったシーフードとシーズニングをビニール袋に入れて混ぜ合わされたものがビニール袋姿のまま取っ手のついた鍋で運ばれてくる。この袋を店員がテーブルに開けるのだが、これがまるで粗相をしたかのように見える。サーブする時に間違ってテーブルにひっくり返しました、というような。もちろん、前述の防水カバーを施したテーブルはそこに料理を開けるためで、事故ではない。

蟹の殻を割るハサミと身を取り出す鉗子状のスティックが一体になった器具があって、これを使えば食べやすい。ただしばらくはシーズニングソースの感触に慣れないかもしれない。それから、辛口は手に傷があると滲みるので要注意(当たり前だ)。味はダイナミックな外観同様ダイナミック。火が通りすぎず、生でもなく、ちょうど良い仕上がりで、ソースとも馴染む。

週末に行ったのだが、1時間に1回ショーがあるようで、途中で店員がダンスを披露。これがちゃんとノリ切った感じで明るくやってくれるので、例えば同じようなエンターテインメント系大味T.G.I.Fのようなやらされてる感の伴う気まずさは漂っていなくて、明るく楽しめる。

シーフードだけに日本で食べると値段はそう安くはないが、それでもリーズナブル。行って楽しめれば損はない。友達同士で楽しめると◎。全席禁煙なのも◎。