音楽レビュー Jason Derulo


Everything Is 4 (2015)


(★★★☆☆ 星3つ)




今時な感じでさらっと流れてゆく。しかしかかっていたら何となく「お、誰かな?」と思わせるsomethingはある。特に流行りのありがちな音だからといって、これをくさす気はない。歌は頑張っているし、爽やかで(といってもペアレンタル・アドバイザリーのタグはジャケットに入っているが)、受け入れられやすい、いわば憎めないキャラクターの人のような感じだ。

従って、何かはあるがありがちな、ということを総括すると、そう繰り返し積極的に聴く気になれないというところに落ち着く。”Pull-Up”なんかは音がスカスカで捨て曲。トレンド乗り遅れ気味必死オバサンのJ-Loもフィーチャーされているが、その曲”Try Me”では他の演出に必死な感じではなく、どこか肩の力が抜けていて、その点ではいいのだが、あのオバサンはもっと上手く使って煽った方がいいのではないかと思う。

もう少し聴かせどころのバラードなど入っているといいのかともちらっと思ったが、しみったれたそんなことをしないで駆け抜けていくのも正解なのかもしれない。良くも悪くも中庸なこのアルバム、嫌われない音作りとしては成功か。(2015/7/2 記)