音楽レビュー Gabrielle


Under My Skin (2018)


(★★★☆☆ 星3つ)



Gabrielleの名を聞いてピンと来る人はどのくらいいるだろうか。俺の中のGabrielleのイメージは1993年リリースのシングル”Dreams”で止まっている。アイパッチが印象的なジャケットのシングルだった(彼女は眼瞼下垂でアイパッチをしているのだとか)。そして、それは主にクラブでリミックスを聴いていたので、(一発屋の)ハウスアーティストというイメージだった。もちろんそのイメージは誤っていて、2007年まではコンスタントにアルバムを発表しており、そこから11年を経てこの”Under My Skin”でカムバックしたというわけだ。

声は”Dreams”そのまま。しかし、ハウスという、いわば限局的なジャンルから、より一般的なポップフィールドのアーティストなのだなという印象に変わった。ではポピュラーアルバムとしてはどうかというと、そつなくまとまっていて、声質を活かす構成で良い。ただ、自分の好みからは外れる。ひょっとしてまたエッジの立ったハウスリミックスが出ていないかと期待したが、それはないようだ。

いずれにしろ、90年代前半に何度となく聴いたアーティストが、今もアルバムをリリースしているのは嬉しいことだ。レーベルも、最近よくあるかつての名アーティストがインディーズからというのではなく、メジャーのBMGから。これからも活躍してほしいものだ。(2018/10/10 記)