音楽レビュー Barry Manilow


Duets (2011)



(★★★★★ 星5つ)

やはり美しいメロディーを作る人は強い。それがこの、Barry Manilowのデュエットヒット曲を集めたアルバムを聴いての第一の感想だ。名前は通っているし、声を聴けばすぐこの人と分かるBarry Manilowだが、圧倒的なヒットというよりも、ちょっとリゾートで(それも少し俗っぽいリゾートで)聴くとぴったりはまりそうな、ポピュラリティーとリラックス感の同居するあの感じは、まさにポップの王道といえるだろう。

個人的にはBarry Manilowの曲を強く意識したのは、初めての体験であるCopacabanaを別にすれば、少々邪道になるが、ハウスミックスの”I’d Really Love To See You Tonight”だった。あの軽妙でノーティーなイメージに打ちのめされたものだが、そうした浮世の感覚と親しみやすいメロディーが永遠であることを、このアルバムはあらためて教えてくれる。