音楽レビュー Vivian Green


Vivid (2015)

(★★★☆☆ 星3つ)
5年ぶりに聴くVivian Green。よりキャラクターを鮮明に打ち出すべく、音も少し押し出しの利いたものになったが、極端に今風にはせず、結果、ナチュラルに聴ける。

しかし何かが足りない感じで、悪くはないのだが、繰り返し聴きたい気にさせない。そして声が少し枯れたように思える。それも決して悪い方に振れたのではないのだが。やりたいことが伝わってきにくい感じで、何かを伝えるのは大変なことなのだなと思わせた。

要するに今一歩なアルバムといってしまえばそれまでなのだが、料理の仕方によってはもっといいもの足り得たのでは。Intro、Interlude、Outroは完全に蛇足。因みに現在iTunesストアでの扱いはないようだ。(2015/9/20 記)

Beautiful (2010)

(★★★★☆ 星4つ)

声質もサウンドスタイルも軽い。ソウルファンには物足りないかもしれないが、さらりとBGMで聴くにはいやらしくなく、かといって存在意義がないほど薄くもないのでちょうどいい。軽いとはいえ、声は媚を売るようなところはなく、わずかにハスキーで、歌い込むところはしっかり歌い込んでいて、高音もよく伸びる声なので、じっくり聴くとじわりと魅力が感じられる。

全般にはシルキーな印象で、ほどよい音楽を聴きたい時にいいと思う。インディペンデントレーベルからのリリースだが、最近はメジャーレーベルよりも、インディペンデントレーベルからリリースされるアルバムに良質なものが多いように思う。