音楽レビュー Terri Walker


Entitled (2015)


(★★★★☆ 星4つ)




個人的にUKソウルシンガーは久しぶりに聴く。Def Jam絡みでデビューを図るも紆余曲折があったようだ。

苦労の末に出したこのアルバムは9年ぶりなのだとか。前作はノーチェックだったので、Terri Walkerはこれを初めて聴くのだが、パンチの効いた声でいかにも実力を感じさせる。トラックは一部のオーガニックソウル系の人を感じさせるようなクラシックな音。憂いのあるブルージーな感じがする。音と声とがよく合っていて、どちらかと言うと個人的なサウンドの好みではないのだが、耳を奪われるものがある。

そして、メランコリックに流れず、スピード感というか前進する意欲を感じさせるところがまたいい。チャートを賑わせるかどうかというと難しいところがあるだろうけれども、良心的な音作りに好感。日の目を見た好機を逃さず、活動していってほしいと思わせる。(2015/6/11 記)