音楽レビュー Sweetback


Stage [2 ] (2004)



殿堂入り作品

「本業」Sadeの作品リリースのペースが非常にゆっくりであるように、Sweetbackの2枚目も前作から8年を要している。
ファーストアルバムにして既に完成された世界があったので、どう展開されるのか楽しみに聴いてみたら、まだこんなに自由にやれるのかと驚嘆。AORの名曲カバーもしっかりSweetback色になっている。今回特筆すべきは、ボーカリストAyaの仕事。声帯が2つ3つあるのではないかと思うような、完全にシンクロした精緻極まるコーラスワークが、一見ミニマリズムにも思える音楽に深みを加えている。

Sweetback (1996)



殿堂入り作品

SadeのボーカリストAduを除くメンバーでのアルバム。よくバックバンドという言い方をされるが、そんな呼ばれ方を逆手にとったプロジェクト名。

Adu抜きの音楽がどんなものかと聴いてみると、これがまた深い。Sadeの都会的味わいやジャンルにとらわれない自由さはそのままに、より禁欲的だったり実験的だったり、かと思うとセクシーだったりして、聴きどころ満載。シングルカットされた”You Will Rise”はAmel Larrieuxのボーカルがしっとりと馴染む。インストゥルメンタルの曲も瞑想できるような無限を見せる。