Darkness And Light (2016)
(★★★★☆ 星4つ)
深く、濃いブラックミュージックの世界を体験できる良盤。タイトルの通り、暗部をえぐるような曲から軽快なものまで、その対比にアーティストとしての度量の大きさが知れる。
声には円熟味を感じる。エモーショナルな歌い方をする箇所にもしっかりコントロールが利いてるので、理知的な雰囲気。しかし一番魅力的なのは「黒っぽい」ところだろう。さらっと上手いのではなく、最近失われがちなブラックミュージックっぽさを充分に感じさせる歌声であるところがまたいい。個人的にはBobby Womackのような渋さを感じた。
濃い内容のアルバムの割にはこのレビューはさらっとしているが、感じ入るところは大きかった。歌としても、作品づくりとしても優れていて、聴くべきアルバム。(2016/12/15 記)