音楽レビュー Club Nouveau


Consciousness (2015)


(★★★★☆ 星4つ)




まさかあのClub Nouveauが復活するとは思わなかった。「あの」といっても、80年代後半~90年代前半当時も知る人ぞ知るといった感じで、シングル”Lean On Me”こそチャートNo.1にはなったが、 コアなR&Bファンでもない限り記憶にないかもしれない。そういった玄人好みのグループで既に解散したと思われていたのにそのグループが、という意味で、「あの」なのだ。

とはいえ、音楽は良質。活躍当時のフレイバーを残しつつ、サウンドスタイルは流行りのスカスカ音ではなく、少しクラシックなもので、歌はしっかりしていて、少しクワイエットストームの匂いもするチューンも入り、と、好感触。ただ、これが90年代半ばに出たものの復刻盤なんだよと言われたら信じてしまうくらいの、少々懐かしすぎるスタイルであったりもする。R&Bとしてはギリギリ今聴ける、といったところか。

表現したい人はすればいい、その機会があるのは大いに結構。今更何故?と聞く前に思わなくもなかったが、やりたいときにやればいいのだ。80年代後半~90年代前半に活躍したR&B/ソウルアーティストの復活劇は時々悲惨だったりするが、願わくばセールス的にもそこそこの線を行って、またその次につながってほしいものだ。(2015/6/18 記)