Voice Of My Beautiful Country (2011)
(★★★☆☆ 星3つ)
ベテラン歌手。ちなみにやはりベテランのDee Dee Bridgewaterと同時期に聴いた。Dee Dee Bridgewaterは、聴いていて何となくDianne Reevesと対照しながら聴いたが、こちらは歌い方のスタイルでいうと、同じベテランでも、ジャズの本畑よりは少しポピュラーに振れたNancy Wilsonを想起させる。というのも、このアルバムはアメリカンスタンダードの曲を歌うものだからかもしれない。
Nancy Wilsonは好みで、時々聴くのだが、René Marieはこのアルバムで初体験。それが良かったのか悪かったのか、国家への賞賛を素直に言うことのでき難い日本人にとって、思想的にまず一歩引いて聴いてしまって、作品にひたることができなかった。
そこで、歌のスタイルに注意を向けてみると、どうもこれも素直に「良い」と言い切れないところがあって、それは純粋に好みの問題でしかないのだが、どこかが引っかかる。オバサンくさい、というと失礼だが、歌そのものよりもその歌い手のバックグラウンドである年齢の方に意識がいってしまうというか。好きな人には受け入れられるだろうし、この人が評価されていてもまったく異存はないけれども、自分にとってハッピーな出会いではなかったというのが、正直な所かもしれない。後で繰り返し聴くと、じんわりと良さが出てきはしたものの。