音楽レビュー Nancy Wilson


Music For Lovers (2006)


(★★★★☆ 星4つ)

本作はリマスター盤。比較的地味目の存在ではありながら、連綿と活躍し続けるNancy Wilson。ロマンティックな曲でも声質のせいか、どこか洗練し切れない感じがあって、そこが持ち味というかキャラクターでもあったのだが、本作では完全なラウンジ向けというか、アクが抜けた感じで、ヒット作だった”Forbidden Lover”あたりの濃密な感じを期待して聴くと、どこか物足りない感じもする。
しかし、一聴してNancy Wilsonと判別できる特色だったボーカルは健在。

Forbidden Lover (1986)


殿堂入り作品

日本人に耳馴染みがいいなと思ったら、当時Nancy Wilsonは数枚のアルバムを日本人のプロデューサーを迎えてレコーディングしていたんだとか。それはそうと、このアルバムはCarl Andersonとのデュエットのタイトルナンバーで幕開けを迎え、ただスイートでない恋愛関係を描き出した曲が複数あるのが大人な雰囲気。〆はあの名曲”A Song For You”で、アルバム構成にまとまりとストーリーがある。時代を超えて何度も聴ける名盤。