音楽レビュー Ntjam Rosie


At The Back Of Beyond (2013)


(★★★★★ 星5つ)

「何と発音したらよいのか分からない名前」と↓の前作で書いたが「ネジャム・ロズィエ」と読むんだそうだ。そして「次作も楽しみ」と書いた待望のセカンドが出た。オランダでは成功を納めて人気アーティストなんだそうだ。この”At The Back Of Beyond”なのだが、中身はジャズに分類してよいのかどうか迷う。ポピュラリティーを裏付けるように、より守備範囲を広げていて、1曲目なんかは完全にポップといってもいいんじゃないだろうか。

すがすがしい印象はそのままで、そうしたポップっぽい曲もあれば、オランダ語の曲もあり、ルーツを感じさせるアフリカっぽい曲もありと、ジャンルを超えながら歌っていくのに少々戸惑いを感じなくもないのだが、散漫にならず自分独自のキャラクターで1枚をまとめているのはさすが。バリエーション豊富な中でも”Secret Waters”はお気に入り。清冽で心洗われる音楽で、この若い才能がオランダのみならず世界で評価されればいいのに、と思う。

Elle (2010)


(★★★★★ 星5つ)

Ntjam Rosieはオランダ出身なのだとか。何と発音したらよいのか分からない名前とGrace Jonesのようなヘアスタイルの前衛的ジャケットにひるんでしまうかもしれないが、中身は実にスムーズでシックで聴きやすいジャズ。レイドバックした感じと、軽やかで少し浮遊感のある曲が、さわやかな気持ちにしてくれて、昼間聴いてもいい。

若々しいルックスで、声も若々しいが、そこには青臭さはなく、本物の音楽をやっていてなおかつ未来を感じさせる。これがファーストアルバムらしいが、次作も楽しみだ。