音楽レビュー Nathan East

Reverence (2017)


(★★★★★ 星5つ)



言わずと知れた名ベーシストNathan Eastのソロ。このアルバムの前にはソロ名義のファーストアルバム”Nathan East”を出している。一種宗教的な感じを思わせる、合掌のポーズを取ったジャケット写真は、タイトルReverence(畏敬の念)そのままだ。他人との共存・尊敬をこの時世にして特に意識して作られたアルバムは、畏敬の念を抱くにふさわしい超豪華アーティストとの共演が聴ける。

まず最初のトラックLove’s Holiday(EW&Fの名曲)でスムーズなボーカルを聴かせるのはPhilip Bailey。もちろん素晴らしいのだが、Philip Bailey以上にNathan Eastのベースが「歌って」いる。Nathan Eastのベースは、リリカルで、輝いている。ベースにそんな歌わせ方ができるのか、と、のっけからノックアウトされる。ベーシストがソロアルバムで何ができるのか? こうできるのだ!と納得。
他のフィーチャリングアーティストも超有名所/人気アーティスト。Nikki Yanofski、EW&FのVerdine WhiteとRalph Johnson、ゴスペル歌手の第一人者Yolanda Adams(余談だが彼女はKim Burrellのゲイへのヘイトスピーチに対して毅然と反対した)、Ruben Studdardなど。Nathan Eastの活躍のベースから、一応このレビューのジャンルをジャズに分類したが、このアルバムはジャンルを超えている。

正直、最初このアルバムを聴いた時には、リリカルでスムーズなところに好感を持ったものの、あまりにもスムーズすぎて耳を流れていってしまい、星4つかなと思っていた。彼がメンバーであるFourplayの印象が強かったからということもある。
ところが、どこか「スムース」の一言だけでは片付けられないものがあると感じた。そして繰り返し聴くにつけて、その凄さ・素晴らしさが知れてきた。それに加え、アルバムタイトルをつけるに至った背景や、共演アーティストの名をあらためて見て、ああなるほど、とその感覚に納得した。

平和や愛を信じている・信じたい人には胸に来るものがあるだろう。そしてそうしたものを見失っている人達にも、こうした音楽が届けばと思う。これは音楽における一つの至高。必聴。(2017/2/8 記)

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