映画レビュー プロメテウス (Prometheus)


(★★★☆☆ 星3つ)

ストーリーはお約束だろうからと踏んで、3Dのエンターテインメント映像を観るつもりで劇場にて鑑賞。核心のネタバレは書かないが、まず、冒頭のシーンは要らない。ひょっとして水などのCGが進化してよりリアルになったことを示したいがための場面か。2012年の今、CGはリアルになったが、3Dはまだ未熟。オブジェクトごとに奥に配したり手前に配したりはできているが、オブジェクトの中での凹凸は表現できていない。つまり、飛び出す絵本みたいな世界だ。その描き方に目を慣らすためのシーンでもあるのか?

さてストーリーだが、やはりお約束どおり。人類の起源を探しに行く話だから起源は探査先で見つかるのは予告編どおりで、その描かれ方が問題。そこにいる創造主が人類を造ったという事実は明らかにされても「いかにして」なのかは掘り下げが全く足りない。エイリアンと人間の初めての接触はリアルなのに。

それから、舞台は今世紀後半の設定だが現代のレベルで矛盾を感じるところをはしょったり、あるいはそこで嘘をついたりしてはいけないと思う。ありそうな嘘をつくのがSFでは肝心、素人レベルでバレるごまかしをストーリー運びのために盛り込むと途端に興を殺ぐ。
科学者が未知の生物とのコンタクトの可能性が濃厚な星に降り立って、何故護身の武器さえ持たずに探査に行くのか? 空気の組成が清浄だとすぐ防護用具のヘルメットを脱ぐのか? 脱ぎっぱなしでマイナス24℃でも平気なのは何故か? 不用意にあちこち触るか? 探検先の内部構造のスキャンレーザーにに可視光スペクトルのを使うか? 等々。この映画はお遊びだから気にするなよ、という寛大さで見ても、いちいちお目こぼしを観客に乞う状態は出来が悪いと思う。この映画は名作『エイリアン』のいわばエピソードゼロなのだが、元祖たる『エイリアン』の作中ではその点手抜かりはなかった。

シャーリーズセロンが宇宙船派遣の会社重役として出てくるのだが、ストーリー中の存在意義としては全く意味不明。倫理の欠落した会社の重役としてはワル感が足りないし、ストーリー運びに全く影響しない。多分セロンにボディースーツを着せてみたかっただけなのだろう。(笑)←実は主役でのオファーがあったが別の映画撮影で断ったものの、その別映画が撮影延期になって「やっぱり出る」と意向を示したら、「主役は決まっちゃってるけどその役ならあるよ」と言われて出たという経緯らしい。なるほど。

と、文句ばかり並べたが、映像としては面白い。HRギーガーのモチーフが3Dで展開されるのは壮観だし、劇場で観たらスケール感もあってよかった。しかし食い足りなさは残る。これの続編が決定しているらしく、出たらまた観てしまうだろうが、本作に関してはとにかく、「お好きならどうぞ」とだけ言っておこう。

蛇足1:シャンパンが登場するが、それがアルマン・ド・ブリニャックなのには笑った。
蛇足2:映画のプロモーション用にプロメテウスを派遣するWeiland Industriesのかなり造り込んだ会社Webサイトがある。

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