映画レビュー ジュリー&ジュリア (Julie & Julia)



(★★★★☆ 星4つ)

2011年の正月休み、飽食の果てに鑑賞。食をめぐる物語ではあるが、作られる料理に焦点が当たることはない。メリル・ストリープ演じる外交官夫人ジュリア・チャイルドが明るく、俺の中ではメリル・ストリープは重い人という印象だったので、少々戸惑う。しゃべり方も始終無理をしているようで、恐らく本物に似せようと苦労しているのだろうなと思った。
映画を観た後で、本物のJulia ChildをYouTubeで見てみたが、やはりそのようだが、実在だからとそこまで似せようと無理をせずに、メリル・ストリープとしてのジュリア・チャイルドをやればよかったのではないかと思う。

対して、ジュリア・チャイルドのレシピを1年間で作るというジュリー・パウエルは、実際のJulie Powellを見ると、いささか魅力と個性に欠ける人で、これはAmy Adamsがリアリティーを残しながらも多少チャーミングに演じていて、よかった。

で、この映画を観て何か残ったかというと、娯楽以上の物を感じるのは難しかったのだが、ジュリーとジュリアの共通項は、自分の人生を切り拓こうとすることに、周囲が思うよりも執着を見せて、実際にそれをやってしまったことで、そういう自分の人生の「これ」という道を探して成功させるというところは、自分の道を決めてしまえていない、あるいは決めたけれども迷っているというのが観る人の大部分であるだろうから、これを映画にするのは、ハッピーで、娯楽としてよく出来ているのだと思う。観終わった後、素直に面白かったと言える映画。印象的、とまではいかないにしても。