ジェシ・グリーン(著)
(★★★★★ 星5つ)
子供を持つことを待ち望んでいたユダヤ教徒の男アンディと、その男に惹かれるが故に事実先行型でアンディの養子を共に育てることになった主人公の男、ジェシ。リリカルな叙述と次々に展開してゆく事実関係の写実的描写との融合が見事。
また、訳者はゲイアクティビズムで有名な「すこたん企画」の主宰者、伊藤悟氏であるが故に、ゲイ社会独自の言葉・事象なども分かりやすく適宜注釈がつけられて訳されており、読みやすい。同性婚が注目される昨今、さらにそこから子供を養育するということについてどういうことが待ち構えているのかを読むにも、物語として読むにも好適な良書。