ブックレビュー 川端康成

古都


(★★☆☆☆ 星2つ)

これに高評価を与える人は、川端康成が高名であったことに引きずられている人だ。端的に言うとブランドの盲信、詳しく言うと文豪の著作は名作に決まっているという洗脳に毒されているとでもいおうか。この作品は川端が睡眠薬中毒になって朦朧としながら書いたとのことだが、作品自体も曖昧模糊(朦朧)としている。主人公千恵子と主人公に関わる登場人物は物分りのいい人だけ、ストーリーはするする流れて行くばかりで、人の心の葛藤もただ涙を流すだけでハイお次、エンディングも中途半端な終わり方でケツが拭けていない。

そして何より、文体がなっていない。稚拙といってもいいだろう。セリフにやたら「……。」ばかりが目立ち、それは読者の想像に託すとか名状しがたい感情がその沈黙で表す他なかったとかいうものではなく、描写の放擲にしか過ぎない。漢字も、ひらくべきでない表現をひらがなにしてひらいているのは、ただ単に面倒だっただけか? これが名作として言われるのは、単なるジャポニズムへのおもねりと、文豪たる名への卑屈なゴマすりにしか過ぎない。

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