シャンパーニュレビュー Ruinart Blanc de Blancs


過日、レストランで久しぶりにRuinart Blanc de Blancsを飲んだ。確か前は、いつだったかの正月、パートナーの実家の集まりを経てまだ酔いの残る昼過ぎに、帰宅してから家で飲んで「ああ引っかかりがなくていいシャンパーニュだな」と思いながら、特に印象に残るような感じでもなかった。が、今回飲んでみて、あらためていいなと思ったので、その印象を記しておく。

Ruinart Blanc de Blancs(既にボトルが空…)
Ruinart Blanc de Blancs(既にボトルが空…)

Ruinart Blanc de Blancs(リュイナール ブラン・ド・ブラン)は、別名シャルドネハウスとも呼ばれるRuinartの看板キュヴェ。プルミエ・クリュのシャルドネが使用されるそう。グラン・クリュは?と思ったら、それはプレステージキュヴェのDom Ruinart向けだそうで。なるほど。ドサージュ(澱抜き後のリキュールによる補糖)は9g/lとか。Extra Brutでなくても6~7g/lに抑えられているものが多い今となっては、クラシックな部類。

しかし、プルミエ・クリュといってもあなどるべからず。華麗で、香り高く、シトラスや白桃、白い花のような香りが気分を軽やかにしてくれるが、薄っぺらくはない。時折シャンパーニュに見られる僅かな苦味はないが、奥深く、舌に広がるなめらかさときれいな酸が、気分を高揚させてくれる。

明るく淡い色合いは、いかにもブラン・ド・ブラン。
明るく淡い色合いは、いかにもブラン・ド・ブラン。

その、華やかだが軽くはないというのがミソで、我々はコースを通じてこれを飲んだのだが、幅広く様々な料理と渡り合える懐の深さがある。前に何となく飲んで「いいけど印象が薄いな」と思っていたのを恥じた。そしてそのうちDom Ruinartも飲んでみたい。

ところでRuinartだが、LVMHグループに属するのだとか。資本関係では揺るぎないグループ下にあるのだが、Moët & ChandonともDom Pérignonとも違う性格のシャンパーニュであることにほっとする。それは至極当然で、同じ性格の物なら違う名前で違うメゾンが造る必要はないわけで、これからもRuinartならではの華麗なシャンパーニュを送り出してほしいものだ。