Pierre Petersは気に入りのメゾンの一つで、家で飲んだりレストランで飲んだりしては感銘を受けているのだが、入魂のトップキュヴェは如何に。

Pierre Peters Les Chétillons Cuvée Spéciale Blanc de Blancs Brut 2011(ピエール・ペテルス レ・シェティヨン キュヴェ・スペシャーレ ブラン・ド・ブラン ブリュット 2011)は、今やレコルタン・マニピュラン(自社畑のぶどうで醸造する造り手)ではJacques Selosseと並び称されるとも言われるPierre Petersのトップキュヴェ。Clos(クロ)との名こそつけられていないが、Pierre Petersが本拠地とするル・メニル・シュール・オジェの中でも評判の高い畑「レ・シェティヨン」の3区画からの、平均樹齢40年~70年のシャルドネのみが使われている。当然グラン・クリュ。
ステンレスタンクでの醸造。ドサージュは4g~5g/l(公式サイトによる。輸入業者の資料には3g/lとある)。6年から8年の熟成を経てリリースされる。

開栓すると香気が放たれ、グラスには厚い層の泡が立つが、その後は落ち着き、細かな泡が立ち上り続ける。

一口飲んで「おっ!」と思う。ブリオッシュやドライフルーツのような香気は気高く、深い複雑味があるのにクリアで、輪郭がくっきりした味わい。そして長い余韻。パートナーじょにおと共に持った共通の感想は、「美味い」。そう、ぶどうの旨味が深いのだ。ピノ・ノワール由来でのブラン・ド・ノワールを飲んだ時に(稀にピノ・ムニエ100%とか、古代種ブレンドのもある)、旨味を感じることはあるが、ブラン・ド・ブランでそんな旨味が感じられるのは、とても稀有。
フードペアリングも、結構幅広く対応できる懐の深さがある。36ヶ月熟成パルミジャーノ・レッジャーノ、トリュフマスタード添えの玉子、フォアグラのパテ、オマールのパテ、どれとも相性が良かった。

そしてスムース極まりない飲み心地。これはすごいね、と言っている間にするするなくなっていってしまう。シャンパーニュの一つの頂点といってもいいフィネス。華やぎ。エレガンス。それらが全て詰まった極上品。これからますます評判は広まり、Pierre Petersは今のような価格では飲めなくなるだろう。買っておくべき、飲むべきシャンパーニュ。