付き合い15周年の記念に飲んだ1本。パートナーとは食事に行くスケジュールが合わず記念日からひと月半ほど遅れての乾杯となった(一応記念日近辺ではケーキでお祝いはした)。

Louis Roederer Cristalは祝いにふさわしいシャンパーニュ。華やかさ、prestigiousな知名度。知名度でいえば日本ではホストバー界隈でわいわい扱われるドン・ペリニヨンの方が圧倒的だろうが、そうした騒音も少ない。特に某ヒップホップアーティストが昔、Cristalの扱いについてLRから苦言を呈され差別だと騒いでアルマン・ド・ブリニャックに鞍替えしてからは、いっそう落ち着いて飲めるものになった(あの一件は、キュヴェがあまりにぞんざいな扱われ方をすることについてLRがそう発信したのであって、黒人だからということではなかったと理解している)。
さて、Louis Roederer Cristal 2013。ピノ・ノワール6割、シャルドネ4割のセパージュ、マロラクティック発酵を行わず、ドサージュは8g/ℓ。公式サイトでは石灰岩質のミネラルについて殊更強調されている。
開栓すると華やかな香りが立ち上る。泡はクリーミーで豊か。口に含むと、なめらかな感触、そして果実香の奥深さを感じるが、フレッシュさもあって長期熟成に耐えそうなポテンシャルを感じる。過度にチョーキーな感じはせず、そこは少しほっとするが、ミネラルは充分に感じられる。時々、シャンパーニュのテイスティングでテロワールに起因する塩味に触れてある表現があるが、僅かながら「これかな」と感じられるものがあった。もちろんシャンパーニュがしょっぱい訳ではない。

ペアリングについてのサジェスチョンはテクニカルシートにはなかったが、丁寧に作られたチーズやハーフドライフルーツ、蟹のパテなどとはよく合った。懐の広さを感じる。
力強さは基底にあるが、ともかくスムーズでこれぞフィネス。どこかが傑出しているというよりも、全ての特徴をきれいに兼ね備え磨かれた感じで、この丹念さがトップキュヴェだなと実感できる味わい。少しの違いを積み重ねた結果圧倒的存在になるというのは、全ての高級品に通じる。祝い事にふさわしい1本。


