シャンパーニュレビュー Lanson Noble Cuvée Brut Vintage 2000
シャンパーニュレビュー

シャンパーニュレビュー Lanson Noble Cuvée Brut Vintage 2000


久しぶりにLanson Noble Cuvéeを飲んだので印象を記しておく。

Lanson Noble Cuvée Brut Vintage 2000
Lanson Noble Cuvée Brut Vintage 2000

Lanson Noble Cuvée Brut Vintage 2000(ランソン ノーブル・キュヴェ・ブリュット ヴィンテージ2000)はグランメゾンランソンのトップキュヴェ。ロゼやブラン・ド・ブラン(シャルドネ100%)で作られた物も存在するが、これはピノ・ノワール7割、シャルドネ3割の物。

他のグランメゾンが次々と新しいヴィンテージのトップキュヴェをリリースする中、ランソンでは2000が2017年1月現在での発売されている最新版というのは興味深い(2002はまだ一般には発売開始でないようだ)。

開栓すると液体は濃い黄金色。漂う香気はさすがに長年の間に丸められたもので、突出した要素が目立つ訳ではなく、泡立ちも細かくて品が良い。

黄金の液体に細かな泡。
黄金の液体に細かな泡。

香りには蜂蜜や、黄桃のコンポート、ヘーゼルナッツなどの要素が感じられる。酸も丸まっている。シャンパーニュに酸の切れやアタックを求める向きは、俺はあまり好きになれない。完全な球体のような優雅な存在であることが、殊プレステージ・キュヴェにあっては美点だと思うからだ。その点、このノーブル・キュヴェ・ブリュット ヴィンテージ2000はおあつらえ向き。ドサージュ(澱抜き後のリキュールによる補糖)についての資料は探せなかったが、おそらく、最近のエクストラ・ブリュット流行りからブリュットでもドサージュを減らす傾向にあるものとは違い、適度なドサージュが施されているものと思う。

フードペアリングの対応も比較的幅広く、そう肉気の強い物などでなければ大丈夫だろうが、せっかく丸められた香気(それこそがNobleたる所以だろう)を楽しむためには、そこそこのところで抑えておいて、シャンパーニュ本体を楽しみたい。

一緒に食べる物は刺激をおさえて、チーズやパテ、枝付き干しぶどうなどで。
一緒に食べる物は刺激をおさえて、チーズやパテ、枝付き干しぶどうなどで。

こうしたクラシックスタイルで優美なものは、時流に流されず独自のスタイルを貫いてほしいものだ。