シャンパーニュレビュー Bollinger La Grande Année 2008


La Grande Annéeはいつどのヴィンテージを飲んでもおいしい。有名な愛飲家には男性が多いにもかかわらず、何故か日本では女性が好む酒というイメージのシャンパーニュだが、ボランジェは007のイメージで、男性向けという立ち位置(もちろんシャンパーニュに女も男もなく、どちらが飲んでもいいに決まっているが)。味わいも、ボリュームと、基底のしっかりした骨太なコクのあるもので、その辺りも「男の酒」のイメージと合致するのだろうか。

さて、今回は2019年夏時点での最新キュヴェであるLa Grande Année 2008。

Bollinger La Grande Année 2008
Bollinger La Grande Année 2008

Bollinger La Grande Année 2008(ボランジェ ラ・グランダネ 2008)は、ボランジェを象徴するダイナミックなシャンパーニュ。2008のセパージュ(使用されるぶどう品種の割合)は、ピノ・ノワール71%、シャルドネ29%。ピノ・ノワールは主にアイ村とヴェルズネイ村産、シャルドネは主にメニル・シュール・オジェとクラマン産。ドサージュ(澱抜き後のリキュールによる補糖)は8g/l。

相変わらずシンプルなエチケットだが、何故か手作業による動瓶と澱抜きの表記が入った。
相変わらずシンプルなエチケットだが、何故か手作業による動瓶と澱抜きの表記が入った。

一口飲んで「いいシャンパーニュだな」と感じさせてくれる説得力のある味。いつもならふくよかさ、ダイナミックさを感じてボランジェだなあと思うところだが、2008年は、飲み口がフレッシュなのが驚きだった。もちろん複雑味がありながらも、より洗練された感じ。これ以上線が細くなると、きっとボランジェ・ファンの期待は裏切られてしまうだろうが、そこを押さえつつも、よりエレガントになった味わいで、これは男性向け男性向けと言われてきたボランジェのジェンダーフリー化か。(笑)俺としては、バックビンテージの骨太な感じがもっとあってもいいかとも思ったが、これはこれであり。

きっと、長熟にも耐えるだろう。少し寝かせてみるのもいいなと思った1本。そして、シャンパーニュの値段は段々高くなる中、超メジャーなメゾンのトップキュヴェにしては超高額でもなく、まずまずで手に入る。買うべき1本。