シャンパーニュレビュー Alexandre Bonnet Harmonie de Blancs Brut


残念なレビューを書かねばならない。福袋と題して価値以上の物が入っているとの触れ込みで、試しで買ってみた1本。

Alexandre Bonnet Harmonie de Blancs Brut
Alexandre Bonnet Harmonie de Blancs Brut

シャルドネと古代種のピノブランが半々の珍しいセパージュ(使用されるぶどう品種の比率)。ドサージュ(澱抜き後のリキュールによる補糖)は10g/l。Brutでは大体6~7gが平均とドサージュ少なめが傾向の今にあっては、標準よりもやや多い。

日本ではごく限られたショップのみしか扱いがなく、ショップの運営会社はすべて共通。そして、それらのショップに掲載されたこのシャンパーニュについての情報も使い回し。正価といってもそこしかないのだから、それが「正」価なのか疑問だが、ヨーロッパで販売されている価格よりも諸費用を考えても明らかに高い。それを◯◯円のところ▲▲円、と言われても値ごろ感を煽っているだけなのでは、と思わなくもない。とりあえず飲んでみる。

泡立ちは平均的。口中でムース状に細かく広がるが、販売者のサイトにはそれを称して「中トロのような泡」と。そんな感じではないし、他のシャンパーニュでも泡に中トロはない。香りはピノブランが入っているだけに、少し発酵香が独特。

味が何だか薄い。薄い、というのは、水っぽいという意味ではなく、味に奥行きやボリューム、深みが足りない。平板な印象。ドサージュが平均よりも多めにもかかわらず、ドサージュの効果も薄い。時間の経過に伴う香りの変化も少ない。飲み続けたいと思わせる要素がなく、パートナーじょにおと2人で飲んでいたのだが、少し余した。

じょにお曰く「コスパが悪い」と。このサイトでは印象を点数で記したシャンパーニュチャートを掲載しているが、久しぶりに低スコアになった。この際正直に値段の話をすると、「正価」1万円弱をつけていてこれはないな、というのが印象。例えばトップキュヴェで2万円を超えるような値段でもおいしければコスパ云々などという言葉はもちろん出さないし、これが3000円台の最安部類ならば、こういうのもあり、で済ませられるが。このシャンパーニュに関しての印象が悪いのは、正直、インポーターの打ち出しの犠牲なのではないか。ちなみに、はっきり言って著名でもないのに押しが強くて繰り返し「高級」「高級」とメルマガで繰り返し押されてきていたのも、その会社に対して不信感を持ってしまった。なので、その会社からは他のシャンパーニュももう買わないと思う。