音楽レビュー Deborah Cox

音楽レビュー Deborah Cox "I Will Always Love You"
音楽レビュー Deborah Cox "I Will Always Love You"

I Will Always Love You (2017)


(★★★★☆ 星4つ)
基本的にこのサイトでの音楽レビューはアルバムのみの収録なのだが、これは全8曲と、EPではなあるがほぼアルバムといっていいものなので、レビューを。Divaと言っていい歌唱力で有名なDeborah Coxだが、彼女単体名義でのアルバムリリースは下記の”The Promise”で、9年前にもなる。ハウスリミックスのシングルなどではその後もダンスミュージックファンの間で話題になった曲はあったが、やっとこの”I Will Always Love You”でまとまって彼女の声を聴けることになり、嬉しい。

さて、タイトルでお気づきのとおり、これはWhitney Houstonのカバー。Whitney主演の映画”The Bodyguard”のミュージカル版がDeborah Cox主演であり、大変興味を持っていたが日本では観られないなと思っていたところ、このEPがリリースされた。因みに”The Bodyguard”は1992年の作品。もう4半世紀にもなる。若い人は知らない人も多かろう。もう一つついでに、Deborah Coxはシングル”Same Script, Different Cast”でWhitney Houstonとデュエットしている。2000年のことだ。(もう17年も前!)

このEPには”The Bodyguard”でのWhitneyの曲の他、”All The Man I Need”(原題は”All The Man That I Need”で、”I’m Your Baby Tonight”に収録のBabyfaceの手になる曲。Luther Vandrossなどによってもカバーされている)、”I Wanna Dance With Somebody”(Whitneyのセカンドアルバム”Whitney”からのファーストシングル)“The Greatest Love Of All”(言わずと知れたファーストアルバム”Whitney Houston”からの大ヒット)が加わっている。

で、出来なのだが、全般に良い。歌唱力にも喉のコンディションも申し分ない。ただ、やはりオリジナルを知っていればいるほど、これを聴いてあらためてWhitneyの凄さを再認識させられてしまうのだが、そこはカバー、しかも誰もが知る曲のカバーなので、致し方ないところで、Deborah自身も先刻承知のことだろう。アレンジはほぼWhitneyの原曲に忠実。従って”I’m Every Woman”などは若干古さを感じさせるが、大元のChaka Khanまでは遡らない感じ。”The Greatest Love Of All”だけは別アレンジで、どこを聴いてもWhitneyのオリジナルが懐かしくなってしまうなか、これは一つの聴かせどころだろう。

これを聴くにつけて、またDeborah Coxのオリジナルの音楽が聴きたくなってしまった。ミュージカルは評判もよいようなので、これを弾みに、オリジナルアルバムを期待したい。(2017/4/10 記)

The Promise (2008)


(★★★★☆ 星4つ)

スローテンポのピアノバラードが目立つ。1曲目の”Love Is Not Made In Words”の、切ないピアノリフが瑞々しくて特によい。コテコテハウスディーバの印象も強いDeborah Coxだが、歌えることを全面に出した感じで、その目論見は成功している。最近のアルバムにしては珍しく、収録曲はわずか10曲だが、これでまとまりがよい感じ(これ以上だとお腹いっぱい)。が、声質はやはりコテコテハウスの方がマッチするか。

Destination Moon (2007)


(★★★☆☆ 星3つ)

キャリアとしては異色のジャズアルバム。いわゆるトリビュートもので、ジャズシンガーDinah Washingtonへ捧げるものだとか。ビッグバンドでオールドスタイルだったり、ピアノバックにシンプルに歌い上げたりとスタイルは様々。歌も当然上手いのだが、いつものコテコテぶりが、ちょっと聞き飽きるというか、1枚聴くとお腹いっぱいになってしまう。やはりDeborah CoxはR&Bやハウスが合うようだ。

The Morning After (2002)


(★★★★☆ 星4つ)

このアルバムの限定版は2枚組で、ハウスリミックスの大成功があったDeborah Coxだけに、”Mr.Lonely”と”Up & Down”のリミックス版が収録されていた。Hex Hector, Junior Vasquezなど、豪華なリミキサーが並んでいたのを覚えている。

本編の方は、意外に地味な作りで、down-to-earthというか、プロデュース色よりも、Deborah Cox本人の持ち味が生きている感じで、企画や派手な装飾音でごまかさないエッセンシャルなR&Bが楽しめる。

One Wish (1998)


(★★★★★ 星5つ)

何と言ってもこのアルバムでの出色は、彼女の代表曲となった”Nobody’s Supposed To Be Here”だろう。曲自体がキャッチーなうえに、Deborahの圧倒的歌唱力が光る。R&Bの元曲の大ヒットはもちろん、Hex Hectorによるスリリングでドラマティックなハウスリミックスは、当時多くのクラブでヘビープレイされていた。

他にも親しみやすい曲調の曲が並び、メロディアスなデュエット曲”We Can’t Be Friends”のヒットもあって、粒ぞろい。

Deborah Cox (1995)


(★★★★★ 星5つ)

当時Whitney HoustonAretha Franklinが在籍していたアリスタからのデビューで、当然歌唱力を期待されていたが、最初から見事に完成された歌声を披露して初回から大成功したアルバム。この頃から既にハウスディーバとしての能力は顕著に現れていて、”Who Do U Love”や”Sentimental”のリミックスは、元曲から昇華してオリジナルのハウスチューンとして魅力を放っている。

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