音楽レビュー Kelly Clarkson

Piece By Piece


(★★★★☆ 星4つ)

Kelly Clarksonは今や立派にポップスターだが、アメリカのカントリー専門チャンネルでもかかることがあるのだという。それはKelly Clarksonがカントリー出身だからということらしいが、出身だからというだけでかかるほど温情的なものではなく、愛される理由があるのだろう。

今までハウスリミックスだけしか聴いてこなかったが、アルバムを聴いてみて、その愛される理由が分かる気がした。音楽の骨子がしっかりしていて、ぶれていないのだ。曲の展開にはメリハリがあるし、音色やエフェクトでごまかしていない。音楽をやることについて腰が座っている感じがする。妙にフィーチャードアーティストがたくさん入り込んで誰のアルバムだか分からなくなるようなものも少ない中、他のアーティストとの「コラボ」はJohn Legendとの1曲”Run Run Run”のみ。骨っぽいロック調バラードで、その曲も好感が持てる。

その一方で、どの曲もどうしても曲調が似通ってしまって、「あれ、今どの曲を聴いていたんだっけ?」と思うことはあるし、アルバムの初めなんだか中盤なんだかラストなんだか分からないくらいの感さえある。その辺りはプロデューサーの演出のしどころとして変化のつけようがあったのだろうが、Kelly Clarksonはどの曲をシングルカットしてもいいポテンシャルを欲していたのだとかで、その結果だろうか。その似通った加減を織り込んで聴いてみると、確かに捨て曲がない。歌いぶりに本気度がうかがえ、何より喉の強さを活かした歌は聴いていて爽快感がある。聴いて損のない一枚。(2015/3/8 記)

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