音楽レビュー Jude Johnston


Shatter (2013)

(★★☆☆☆ 星2つ)

キャリアの長い人で、Laura BraniganやBette Midlerなどに曲を提供してきたらしい。が、存在は地味。曲作りをするだけでなくこうして自分のアルバムも出す、要するにシンガーソングライターなのだが、どうも声には恵まれなかったようだ。鼻づまりで声域がせまく、聴いていて辛い。また時折電話越しの声のようにイコライジングされた演出の曲もあるが、アルバム上の演出として1曲だけならまだしも、複数あるとくどい。
それからルックスも。若い頃にはそこそこだったようだが、今はこの作品のアルバムジャケットに顔を出していないのが正解に思える。

曲はというと、全体に陰鬱。ブルースとは憂鬱なのだが、まさにそういう意味では白人ブルース。歌詞も朝などに聴くと、気分がどんよりしてしまう。それが鼻づまりのせまい声域で、時に恣意的なキャラクターづけを試みた発声で歌われるので、ああこの人は曲の提供に留めておくべきだな、と聴いていて思った。(2013/6/5 記)