音楽レビュー Mica Paris


Born Again (2009)


(★★★★★ 星5つ)

デビューアルバム”So Good”が圧倒的な評価を受け、続くセカンド”Contribution”でもヒットを記録し、不動かと思われたが、アメリカ市場を狙ったNarada Michael Waldenプロデュースの3枚目のアルバム”Whisper A Prayer”が評価されず、(個人的には好きなアルバムなのだが)長く苦労することになったMica Paris。
その後も意欲的に”Black Angel”, “If You Could Love Me”, “Soul Classics” とアルバムを発表してきたが、本作は”Born Again”と題されたように、本格的にカムバックを狙ったと思われるアルバム。

タイトルソング”Born Again”は、正に苦労の年月を歌う、しっとりしたバラード。デビューアルバムに収録されていた名曲”My One Temptation”もボサノバスタイルでセルフカバーされている。ジャズの”Summer Time”のライブバージョンも入っており、サウンドスタイルは様々だが、一貫してMica ParisはMica Parisと思わせる確固たるアイデンティティが貫かれている。

Contribution (1990)


殿堂入り作品

一気に、そして様々に流れるダンスグルーヴ。○○風、という曲調がなく、1曲1曲が異なった丁寧な音作りがされている。ミーシャといえば、R&B/ソウル好きにはこの人しか存在しない。UKソウルの本物のノリと歌が詰まったアルバム。

So Good (1988)


殿堂入り作品

恐るべきデビューアルバム。UKソウル期待の星として燦然と輝き、正に彗星の如く現れた才能。若くしてプロデューサーに踊らされず、自分の世界を確立している。洗練の貴公子Will Downingとのデュエット”Where Is The Love?”が特に注目されていたが、他のソロ曲にしても必聴揃い。