洋画・アジア映画

映画レビュー エスター (Orphan)



(★★★★☆ 星4つ)

※以下、核心には触れていないが若干のネタバレあり、注意

人に薦められて観て、なるほど良かった。すごく良かったのだが、星4つとしたのは、流血等シーンのあからさまな描写が万人向けではないため。

まず、ストーリーの組立てが凝っていて緻密。人によっては足りないと思うかもしれないが、最後に全ての溜飲が下がる運びになっているので、ダークな運びだが観終えて欲求不満が残ることはないだろう。
緻密と思えるのは、エスターを養子に迎えた母親がトラウマを抱えながら立ち向かっていることについて、夫も、母親のカウンセラーも、ついでに姑も理解を示さず「何で分かってやらないんだよ!」と観る者を焦れされる演出。クラシックながらうまく行っている。

そしてそのトラウマをモチーフにしながら家族の軋みを段々と描いていく様が上手い。筋運びはスリリングで、「はー、そういうこと!」と誰もが膝を打つであろう種明かしがあり、そこから一気に最後まで流れこむスピード感が秀逸。これがサスペンスであろうとホラーであろうと、観れば納得なのだ。ついでに、舞台となるのはこのエスターを養子に迎えた家が主なのだが、その瀟洒なインテリアも大変参考になった。(2014/9/19 記)