映画レビュー 武器人間 (Frankensteins Army)



(★★★☆☆ 星3つ)

日本語版予告編ではナレーションに大山のぶ代を起用し、その破壊力が一部マニアの間で話題になった作品。ドキュメンタリーフィルム風の演出の、いわゆるファウンド・フッテージの手法で描かれているが、ブレアウィッチプロジェクトやクローバーフィールドのようなあまりにもブレの激しいものよりも、映画として観られることを前提としたある程度見やすい映像になっている。

さて、内容だが、何とも漫画チックというか。ナチのマッドサイエンティストが生身の人間と武器を無理やりくっつけて戦闘員(戦闘兵器?)を生み出すという発想は面白い。ソ連の兵士達がそこに「偶然」迷いこんで発見するというのもまたOK。

しかし、ひたすらそのクリーチャーをドンドコドコドコ威勢よく見せられると、見たい物を見たいだけというのはいいとして、どうにも大味な感じがする。
というのは、完成物や、人間と兵器の切り貼りのシーンは山盛りなのに、どう機械と人間をくっつけるかという、プロセスはまるっきり省かれているからだ。何となく、欧米の無修正ポルノと同じような、猥雑さを超えて単なる肉塊にしか見えなくなってくるようなのと同じ感覚になって、怖さやおどろおどろしさがないのだ。ともかく出し惜しみしない景気の良さではストレスがないが、肉体を切った貼ったするスプラッターに耐性がある人には、過ぎたるは及ばざるが如しといった印象。(2014/9/19 記)