うちの普段使いシャンパーニュとして時々買っては飲んでいる銘柄のうち、Richard Cheurlinはレコルタン・マニピュランの中でも安定した品質と良い味わいのシャンパーニュメゾンで、お気に入り。普段使いのスタンダードBrut Carte Noireとどう違うか、今回飲んでみたのはこれ。
Richard Cheurlin Cuvée H Brut Millesime 2005(リシャール・シュルラン キュヴェ・アッシュ・ブリュット ミレジメ2005)は、ミレジメ(単一年作=ヴィンテージ)のキュヴェ。もう一つのCuvée Jeanneとともに、Richard Cheurlinの2大プレステージのうちの一角。古木のぶどうのみを使用し、セパージュ(使用させるぶどう品種の比率)は、このミレジメの場合、ピノ・ノワールとシャルドネが半々。作年によってはピノ・ノワール7割、シャルドネ3割の時もあるようだ。
開栓し、グラスに注ぐと予想より淡い色。ミレジメで熟成が長く、ピノ・ノワールが半分というと、もうちょっと濃いかなと思っていた。
香りは軽やか。柑橘系や花の香り、アカシアなどの軽い系統のはちみつのニュアンス。口当たりは丸められており、さすがのフィネス。するすると喉を通り、熟成期間を感じさせないほどフレッシュだが、余韻は長い。
味わいといい、タッチといい、明らかにCarte Noireとは違う。Carte Noireはどちらかというとダイナミックな味わいで、飲みごたえのある部類だが、このCuvée Brut Hは繊細。フードもどっしりとしたものよりは軽いものが合うと思う。
知名度からか、値段はリーズナブル。しかし、同じ価格帯のメジャーなメゾンのスタンダードよりも、上質さで確実に上を行っている。出回っている量が少ないようだが、見つけたら押さえておきたい。シャンパーニュを名前よりも中身で選ぶ、事情通向け。