シャンパーニュレビュー Marguet Pére et Fils Brut Réserve Grand Cru


色々試していると、すぐに過去に追いやられてしまう。飲んでレビューにとどめておかねばと思いながら印象があやふやになってしまった銘柄も2、3ある。これもそうならないうちに、簡単ではあるが。

Marguet Pére et Fils Brut Réserve Grand Cru
Marguet Pére et Fils Brut Réserve Grand Cru

Marguet Pére et Fils Brut Réserve Grand Cru(マルゲ・ペール・エ・フィス ブリュット・レゼルブ・グラン・クリュ)は、ふくよかなピノ・ノワールで有名な特級格付けのアンボネイ村に本拠を置くマルゲのキュヴェ。最近の良心的なメゾンがそうであるように、ここもビオディナミに移行し、さらに亜硫酸塩の添加を少なく抑えて作っているのだとか。ドサージュ(澱引き後のリキュールによる補糖)は8.5g/L。セパージュ(使用されるぶどう品種の比率)はピノ・ノワール63%にシャルドネ27%。

ふくよかなピノ・ノワールの印象はうまく活かされている。少しマールのような香りがボリュームを感じさせる。フルーツコンフィ、軽いブリオッシュ、蜂蜜香ときれいな酸がうまく調和している。フードペアリングは割と応用が効きそう。ドライフルーツや白カビ系チーズなどとはもちろん合う。

細かく上品な泡。
細かく上品な泡。

味はパワフルだが、飲み疲れはしない。その辺りは、丁寧な造りとビオディナミの恩恵だろうか。品が良いながらも個性を持った1本で、シャンパーニュ好きなら押さえておきたい1本。