シャンパーニュレビュー Louis Roederer Rosé Vintage 2010


食事に行ったレストランのワインリストにあって選択。

Louis Roederer Rosé Vintage 2010
Louis Roederer Rosé Vintage 2010

確かLouis Roedererのロゼは2007を、伊勢丹のシャンパーニュイベントで副社長が来日し、吉兆の料理と共に飲んだ記憶がある。そしてその時は吉兆の料理が今ひとつで(料理自体も、ペアリングも)、ロゼの印象とは裏腹に厳しい味わいで、正直印象があまり良くなかった。が、その印象を覆してみたいと思い、それよりも新しいヴィンテージの2010をこの機会に試した。ちなみに現時点(2017年1月)で最新のヴィンテージは2012年で、これは既にバックヴィンテージになっている。

熟成4年、澱抜き後6ヶ月を経て出荷されるロゼ。セパージュ(使用されるぶどう品種の割合)はピノ・ノワール62%、シャルドネ38%。セニエ(果皮を浸潤する方法)で醸され、ドサージュ(澱抜き後のリキュールによる補糖)は9g/l。

結論から言うと、素晴らしかった。ツンと済ましてロクに口も聞かないしょっぱい横顔だった2007年の印象とは異なり、2010年は上品でありながらも朗らかに接してくる豊かな感じ。ロゼというと赤い果実の風味がよく筆頭に挙げられるが、これはそれを感じさせながらも、渋すぎるタンニンが残ることもなく、リッチなシャンパーニュ独特の広がりと華やかさがあって、さすがLouis Roedererと思わせた。

可憐な花や、幾分爽やかさもある香りは、後半にはしっかりした芯のある果実味を感じさせ、経時的変化も楽しい。色合いも淡めで美しく、品があって気分を高揚させる。ちょっと贅沢したい時に選択したい一本。