音楽レビュー Matt Bianco

Gravity (2017)


(★★★★★ 星5つ)




2012年の”Hidaway”と、New Cool Collectiveとの共演による2016年の”The Things You Love”は未聴で、久しぶりに聴いたMatt Bianco。どうやら完全にジャズに舵を切ったようだ。以前はアシッドともダンスともつかないような軽快さが魅了のひとつでもあったが、軽やかさはそのままに、スタイルはポピュラー的トラック構成を離れた。バイオを見ると元々はジャズアンサンブルをやっていた人だから、原点回帰をしつつ、次の時代へということか。

そして、サウンドスタイルの提唱者というよりは、Mark Reillyのボーカリストとしての資質が目立つようになった。ボーカルにはポップさが残っているが、ジャズならではのトラックに乗っているところが不思議なスムーズさと浮遊感を生み出し、Matt Biancoらしいなと感じさせる。モダンスタイルが懐かしい向きには、日本版に収録されているボーナストラックの”Joyride (Mark De Clive Lowe Remix)”がお勧め。アシッドっぽさを感じることができる。大人の休日に。(2017/10/18 記)

Hifi Bossanova (2009)




Matt Biancoというと80年代から90年代前半にヒットした時のイメージが強いが、それからしばらく遠ざかり、そして初代日産ティアナのCMソングにも使われて、その時に「やはりいい音を届けるグループ(デュオ)だなあ」とあらためて思っていた。

本作はリラックスムードが漂うラテンフレイバーのボサノバ。音は自然で聴いていてハッピーになるが、聴き込むと非常に知的で緻密な作りになっているのが分かる。休みの日にブランチを摂る時など、ゆったりした気分でかつ華やぎたい時などに聴きたくなる。

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