スタンダードキュヴェを2つ簡単に。
Charles Heidsieck Brut Reserve
フレンチレストランでコースを通じて飲むのにどれがいいかとソムリエに相談して選択。曰く、酸がきれいで、リザーブワインの比率が高いので円熟味もあると。
Charles Heidsieck Brut Reserve(シャルル・エドシック ブリュット・レゼルヴ)は、最近評判に上るので、試してみようと思っていた。今までインポーターがなかったのが、本格的に日本で展開するようになったようだ。因みに2015年のワイン・スペクテイターでは93点とか。セパージュ(使用されるぶどう品種の割合)は、ピノ・ノワール4割、シャルドネ4割、ピノ・ムニエ2割とか。
確かに、酸がきれいで(しかし後述の点で疑問を生じた)、余韻もまずまず。ブリオッシュ、蜂蜜などの香りが広がる。ドサージュの正確な量は分からなかったが、最近流行りの少なめに感じた。味や香りの経時変化は少ないが、応用力もあって料理を嫌わず、食卓に上る1本としてよい。温度はさほど下げすぎず飲んだ方がよいようで、やや広口のグラスで細かく温度管理をしてもらってサーブされたおかげで、1本を通じて楽しめた。
のだが。飲み終えてテーブルに上げられてきたボトルの裏面の情報を見るに、添加物として亜硫酸塩(シャンパーニュでは品質維持のために微量添加されるのが一般的なのでこれは構わない)の他、酸化防止剤にビタミンC、他に酸味料とある。味に影響はしないとしても、ビタミンCが添加されたシャンパーニュは今まで飲んだことがなかったし、ましてや酸味料まで添加されているとは。おそらく酸味料とはクエン酸だろうが、そんな物で味を調節するなんて、まるで清涼飲料水ではないか。ああ、見ないでそのまま味の印象だけに留めておけばよかった、と後悔。
Hernest Rapeneau Selection Brut
Hernest Rapeneau Selection Brut(エルネス・ラペノー セレクション・ブリュット)は、G.H.マーテルの普及品で、普段飲みとして手頃なシャンパーニュ。シンガポール航空でも採用されているとか。航空会社で採用されるということは、万人受けするバランスの取れた味わいで、気圧の低い機内で提供しても炭酸ガスの影響を受けにくいほどよいドサージュであるはず、と踏んで、試しに買ってみた。
結果、やはりバランスがよく、丸みがあって良い1本。ムニエの果実味が特徴的で、しかし野暮ったくはない。ノンビンテージで熟成は2年とのことだが、適度な熟成感もある。上述のCharles Heidsieckよりもやや低い温度で飲んだが、その方が適度な切れがあって良いようだった。