音楽レビュー David Bowie


★(Blackstar) (2016)


(- – – – – 評価不能)




このアルバムが出て、まだまだやる気だなと思っていたら数日後に訃報。わずか7曲しか収録されていないこと、そして喘ぐように苦しげな作風と歌声、そして歌詞の意味がそこで知れるところとなった。

このアルバムは断末魔とも言え、魂の叫びとも祈りとも言える。冒頭の”Blackstar”が何故こんなにも死を覚悟したイメージなのか、そして9分を超える長く重い作品を冒頭に持ってきたのかが謎だったが、訃報後に聴いてみると自分へのレクイエムのようなこれの意味が、聴く者に重くのしかかってくる。

このアルバムを星いくつと軽々に評価することはできない。稀代のポップ/ロックスターであるだけでなく、社会事象でもありながら、常に先端であり、異端であり続けたDavid Bowieの偉大さを物語る最期の道標。David Bowie、安らかに。(2016/1/13 記)