ランソンは確実にアップデートしているなと感じられた1本。プレステージキュヴェのClos LansonやNoble Cuvéeをはじめとして、Lansonのラインナップは上質なのだが、今回これを飲んでみて、スタンダードキュヴェでこのレベルを実現しているのはすごいと思った。

Lanson Le Black Création 258(ランソン ル・ブラック・クリエーション258)はランソンのスタンダードキュヴェ。258は老舗ランソンの258年目のワインを主な原料とすることを示すもので、2018年にあたる。これを3分の2、残りをリザーブドワインが占めるそう。このところシャンパーニュメゾンではスタンダードにも年ごとの個性を出すことが傾向としてあるようで、ルイ・ロデレールもそうだし、これもそうしている。
熟成期間は4年。スタンダードとしては長い。4分の3のワインはランソンの伝統に従いマロラクティック発酵を施さない。これによりフレッシュ感がもたらされるという。ドサージュは8g/lと、クラシックな造り。
これは先ごろのノエルアラモード2025で買った1本。ノベルティにLansonのマルタ十字のマークが入ったグラスをもらったので(セールス曰く、1個4600円かかっているという)、そちらを用意して開栓。ちなみにインポーターはモトックス。エノテカが扱っていたかと思うが、俺はエノテカはアサヒビールの子会社になる前からあまり好きではないので、これは好ましい。

ちなみにこのマークは創業者の息子ニコラ=ルイ・ドゥラモットがマルタ騎士団」の騎士であったことを基に考えられたとのこと。
開栓すると放たれる香りは、「これって樽発酵だったっけ?」と一瞬思うようなやや重めの香りと、最初らしいパッと華やかなブーケ様の香りが重層的に放たれる。口に含んだ印象も、フレッシュな酸の口当たりと、基底にある黄桃のコンポートのような甘めの香り(味自体はドサージュにしてはそう甘くない)とが重なる感じで、奥行きがある。
このグラスのボウルは大きめで、たくさん入る。飲み口の広いグラスだと素性が表れやすいが、端正でかつ豊か。

色合いは少し赤みに触れた明るいゴールドで、ピノ・ノワール50%、シャルドネ35%、ピノ・ムニエ15%と黒ぶどう主体らしい色合い。この色合いを楽しむにもこのグラスは好適。
スタンダードでこの飲み口は素晴らしい。今まで、スタンダードを飲む時にはランソンブラックラベルは何となくの二次的選択肢だったのだが、これは積極的に選びたいと思える仕上がりで、他のメジャーなメゾンのお株を奪うポテンシャルがあるなと感じられた。
